ラオス

ラオス地図

基本情報

(2015.3 掲載)
ラオスは、1996年9月20日に生物多様性条約、2012年9月26日に名古屋議定書に批准している。
2015年3月現在、ABSクリアリング・ハウスにはABS National Focal Pointの登録があるが、国内法令は登録されていない。


CBD/ABS関連法令

(2004.7 掲載)
ラオスにおいて生物多様性に関連する国内法は以下の通りである。ABS特化した法律はまだ制定されていないと思われる。
  • 森林法(National Law for Forestry)
  • 環境保護法(Environmental Protection Law)(1999年4月制定)

なお、上記の法律は具体的な罰則等が盛り込まれていない基本法であり、1991年制定の憲法に基づいて制定されている。


その他情報

(2004.7 掲載)

1.バイオ関連研究機関


1)農業林業省研究所

Ministry of Agriculture and Forestry

植物に関してイギリスのキュー植物園と植物の同定に関する共同研究を行ない、ラオスの植物標本がイギリスに移動した。なお、この共同研究は、2001年9月に終了している。さらに多くの共同研究を行いたいが予算の関係で実現できないのが現状のようだ。微生物に関する研究は皆無である。


2)国際自然保護連合ラオス事務所

Lao Office, The World Conservation Union (IUCN)

スイスに本部を置く国際自然保護連合(IUCN)のラオス事務所であり、ラオス国内の動植物の調査と調査結果の出版を行っている。ラオス政府組織には属さないいわゆるNGOであるが、農業林業省とイギリスのキュー植物園との共同研究の締結においてはこの団体がかなりの尽力をしたということである。また、この事務所には、われわれの訪問時においてもイタリア、オーストリアからのスタッフが出入りしていた。


3)保健省伝統薬研究センター

Traditional Medicine Research Center, Ministry of Health

伝統薬研究センターは、事務局/Administration(11名)、植物化学/Phytochemistry(4名)、生薬学/Pharmacognosy(7名)、調製部/Preparation(8名)の4つのdivisionからなる。センター長は、Dr. Bounhong Southavongである。ラオス国立大学から学生の受け入れを行っており、実習を介した教育を行っている。本センターから25 km 離れたところには薬用植物園を有し、現在200種程度の薬用植物を収集している。また地方に10カ所のtraditional stationと呼ばれる下部組織をもつ(ただし、traditional stationの職員は地方自治体の所属)。ラオス全体の薬用植物のインベントリーは始まったばかりであり、その実数は現時点においては不明であった。

1999年から米国UIC(イリノイ大学)およびベトナムNCST(National Center of Science and Technology: 現ベトナム科学技術アカデミー)との共同研究を行っており、あと2年の契約期間が残っている。UICへはこれまで300種の薬用植物の乾燥サンプルを送っており、今後はその抽出物を送るということであった。また、年2〜3人のスタッフをUICへ派遣し3〜6ヶ月のトレーニングも行っている。ハーバリウムには、その共同研究の成果として500種程の同定された乾燥標本が保存されており、同定はベトナムに依頼して行っている。


4)国家科学技術庁

(National Authority for Science and Technology: NAST)

科学技術環境庁科学研究所(Research Institute of Science)はラオスにおける数少ない研究機関の一つであり、
Division of General Administration
Center for Biotechnology and Genetic Engineering
Center for Value-added Natural Products
Center for National Biodiversity Garden of Houa-Gnang
から構成される。所長のDr. Sourioudong Sundara は専門は酵素学であり、ラオスにおけるICCPのフォーカルポイントでもある。研究室のスタッフは15名で、ベトナムおよびタイとの共同研究を行っている。また、国立ラオス大学の学生のトレーニング、卒業論文指導などの教育活動も行っている。主な研究テーマとしては、酵素、植物組織培養、植物由来の有用物質などがある。微生物に関しては、若干の保存株(主にキノコ)を有する。実験室の設備としては、クリーンベンチ2台、オートクレーブ1台、光学顕微鏡1台、植物組織培養の培養室を有していた。おそらく、ラオスではもっとも実験設備の整った研究室といえる。


5)国立ラオス大学理学部生物学科

Biology Department, Faculty of Science, National University of Laos

ラオス唯一の大学であり、所在地からドンドックと呼ばれることもある。理学部には数学・コンピュータ学科、物理学科、化学科および生物学科の4学科があり、86名の教員を有するが、そのうち博士号を有するのは4名のみである。生物学科はさらに動物学、植物学、生態・環境学、分子生物学および一般生物学のユニットに細分化されている。大学全体としては、14,000名の学生が在籍していて、毎年2,000名の学生が入学してくるが、生物学科は卒業後の就職先が少なく、学生の人気があまりないとのことで学生数は学科全体で65名にすぎない。

現在、生物学科では教科書による教育が中心で、研究は行っていない。これは、生物学科に限らず、大学自体に実験を行う実験室がないためである。また、外部との共同研究も行っていない。

ページトップへ

JBA logo一般財団法人バイオインダストリー協会
    生物資源総合研究所
経済産業省の委託に基づいて、一般財団法人バイオインダストリー協会が作成いたしました
copyright © Ministry of Economy, Trade and Industry. all rights reserved.